ギャンブル依存症だった父

わたしのストーリー

子供と遊ぶのが上手だった父

子供の頃は、よく父が公園で遊んでくれました。

父と遊んでいると決まって近所の子供たちも寄ってきて、

一緒に遊ぶことが多かった。

ケンケンーパや、あっちむいてほい、鬼ごっこやドッチボール。

子供を相手に本気で遊ぶ父の姿が今でも目に焼き付いています。

私はそんな父が大好きでした。

 

ギャンブルによる多額の借金

父の様子が変わり始めたのは、私が中学へ入ってから。

帰宅時間が遅くなり、父を責める母のヒステリックな声が響くように

なりました。

父がギャンブルにはまり、多額の借金をしていたことが判明したのです。

 

家のローンの支払い&借金返済のために、母も働きはじめました。

親戚中にお金を借りて、一旦は借金を返済したようですが、

結局ギャンブルをやめられず、新たにサラ金業者からお金を借りて

怖い人から電話がかってくるようにもなりました。

 

父は大手電気メーカーに勤めていました。

本当だったらお金に困ることがないはずだったから、

家のことは絶対に外へ知られてはいけないことだった。

 

母が働いたお金で毎月ギリギリの生活。

 

私が人との間に壁を作り始めたのも、この頃からです。

友達と無邪気にはしゃぎたくても、楽しめない自分がいました。

 

落ちるところまで落ちた父

家族がどんなに泣いて頼んでも、父のギャンブルはとまりませんでした。

信じられないところからもお金を借りては使う日々。

やせ細って頬はコケ、お酒臭くて、言動もビクビク、オドオド…。

人相もすっかり変わってしまったから、さすがに職場の人にも

おかしいと思われていたことでしょう。

 

『依存症』は感情の抑圧が原因

ギャブル依存症

アルコール依存症

薬物依存症

セックス依存症

 

依存症と名のつくものは、“感情の抑圧”が原因です。

辛い感情を感じたくなくて、それぞれの行為で感じることから

回避しているのです。

 

いくらまわりが説得したところで、本人が根本を見つめない限り、

そして本気でやめたいと望まない限り、なかなか抜けられないでしょう。

 

野山を駆けまわって育ってきた父が、

コンクリートの中で自分らしさを殺して上手く渡り歩くなんて…、

かなりストレスだったんじゃないかと思います。

 

もしあの頃、父が抱える心の痛みをジャッジなく聞いてくれる人がいたなら…

父も自分から逃げずにしっかり向き合うことができたなら…

 

そう思うから、私は今、セラピストの道を選んだんだと思うのです。

 

父を通して感じきった私の感情

私の父に対する感情は、複雑に重なり合っていたように思います。

 

「私の人生を台無しにしやがって!」と恨むような怒りがあったし

「情けない姿を見せてほしくなかった」という悲しみもいっぱいあった。

「助けてあげたいけれど、力になれない」惨めさもあったし

「父親に欲しい形で愛情がもらえなった」悲しみもありました。

 

そんな感情も、すべて私の中にあるもので

父はそれを引き出してくれた存在というだけなのです。

 

だから、丁寧に丁寧に感じきっていきました。

 

そんな先に、ようやく自分の中から湧いてきたのは

純粋に「お父さん大好き~!」だったのです。

 

子供の頃に遊んでくれた父の姿がありありと浮かびました。

私は父に愛されていた…。心からそう思えました。

 

すると…世界は変わりはじめるのです。

どこかで、私は父を“助けなくてはいけない存在”だと思い込んでいて、

そんな思い込みを証明するかのように、母も父の問題を見つけては

私にグチグチと報告してくることが多かったのです。

それなのに、それ以降、すっかりそんなことがなくなったのです。

 

地域のボランティアで活躍する日々へ

定年してからというもの、父は地域のボランティア活動に

積極的に貢献しています。

その活動が評価され、たびたび取材を受けるくらいになっているのです。

 

小学生の登下校時には、見守り隊として挨拶に立ち、子供たちからも

名前を憶えてもらってる様子。

 

市の病院の花壇や庭の手入れをすることも父の楽しみになっていて、

たまに実家に帰ると病院に連れていかれ、

「どうや。これ、お父さんがやったんや♬」と自慢されます(笑)

 

地域の活性化のために、楽しい企画を考えては先頭に立って、心から楽しんでいます。

 

それが、父が本当にやりたいことだったみたい。

イキイキと輝く父の姿に、ギャンブル依存症の面影はどこにもありません。

 

父が人生を通して見せてくれたもの

人間のもろさ、弱さ。

そして、超えていける強さと優しさ。

セラピストとして、心の痛みに寄り添い共感する力を与えてくれました。

 

今、心から思う。

あなたの子供に生まれてきて本当に良かった。

ありがとう♡

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